こいまりあかえきんさいおうかもんりんかななすんさら

古伊万里赤絵金彩桜花文輪花七寸皿

-希望販売価格-

金4万5千円

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※販売価格は基本・内税

販売中

【商品番号】:N-152

【時代推定】:江戸時代・~文化期

:18世紀末~19世紀初

[紙箱入]

寸法

径:21.4cm

高: 2.7cm


 [伊万里焼](いまりやき)とは、伊万里港から積み出された有田地方で産する磁器の総称で、江戸時代初期(17世紀初期)頃には製造が開始されていたとされ、寛永年間末ごろには日本の陶磁器生産の主力を占めるにいたっています。
 [古伊万里]は、一般的には江戸時代の有田焼を指し、製造時期、様式などにより、[初期伊万里][古九谷様式][柿右衛門様式][金襴手(きんらんで)]などに大別されています。
 [伊万里焼]製造初期の有田では、窯の中で生地を重ねる目積みの道具として、胎土を用いる中国式ではなく朝鮮半島のように砂を用いていることから、その焼成技術は朝鮮系のものとされています。
 〔水漉〕という陶石を精製する技術が未発達だったために黒茶のシミ様の鉄分の粒子が表面に現れていることや、素焼きを行わないまま釉薬掛けをして焼成するため柔らかな釉調であるといった[初期伊万里]の特徴とされている事柄がそれを裏付けています。
 その後1640年代に中国人によって技術革新が行われ、技術の進歩により純白に近い生地が作れるようになり、一次焼成の後に上絵付けを行なう色絵磁器が生産されるようになって、17世紀後半には、余白を生かした[柿右衛門様式]の磁器が、17世紀末頃からは、〔金彩〕をまじえた豪華絢爛な[金襴手]が製造されています。

 本器は、伊万里をはじめ多くの地域で数多く作られた、古くから常日頃多岐にわたって使える重宝な寸法とされている[七寸]と呼ばれる大きさです。
 本器に用いられたよく精錬された白瓷土、畳付が丸く太いために灯心状と呼び慣わされる丁寧な造りの低い高台、くっきりとした輪花状に仕上げられた皿の縁、〔金彩〕で表現された[金覆輪]、文様表現に用いられた〔赤・黄・青・緑・紫〕の顔料の質、などは、本器が上手(じょうて)の高価な[金襴手]作品であることを示しています。
 有田の[金襴手]は中国明代後期の嘉靖・萬暦期の景徳鎮窯金襴手を範としていることから、皿底に「大明嘉靖年製」「大明萬暦年製」の銘が記されているものが多いのですが、これらの銘は、中国製品の模造や模倣というよりも、図案や意匠として取り入れたものであるとされています。


 高台内に記された縦二行の「太明成/化年製」銘の筆致や、銘および唐草文に用いられた染付顔料の発色や質などから判断して、この皿が焼造された時期は「文化期」(1804~1817)前後、「江戸(時代)の町人文化が華と開いた」といわれる時期であろうと思われます。
 本器に記されている「大明成化年製」ならぬ「太明成化年製」銘中の「成化」期は「嘉靖」「萬暦」よりも古く、明の色絵(五彩・豆彩)製造期の初期に当たります。
 このことから、本器に「成化年製」の銘を施させた[窯元]は、「明・成化期の色絵磁器」についての知識を持っていたことが窺われ、裏側の高台や染付の様子からは、明代染付の官窯瓷器を髣髴とさせる格調の高さが感じられます。

 一方、本器の表側には「ハレの日」に用いる器にふさわしい装飾手法や文様の配置が施されています。


 本器の文様配置も多くの古伊万里器のように明の景徳鎮窯に倣っていますが、広く取った〔赤塗り〕面の文様は〔白抜き唐草文〕と〔金彩〕にとどめ、他の色は器全体に対するアクセントとなるよう全面に散りばめずに丸紋周辺に集約するなど、色彩が散乱しないように適切に配色され、文様の要所要所に施された〔金彩〕は文様よりも主張することなく、それらの「彩(いろどり)」を一層際立たせるよう配置されているなど、色彩のバランスや統一感を損なわないように文様の構成が工夫されています。
 また、〔桜唐草〕〔窓絵:日本庭園 〕などの細やかな文様には四季の移ろいを愛でる日本の感性が反映され、多くの色顔料を用いているにもかかわらず[鍋島]や[柿右衛門]に通じる「落ち着きのある品格」が漂い、気持ちをほのかに高揚させる雅びやかな「和の趣」に溢れた風情が感じられます。

 本器は、大陸の技術を土壌としながらもその技術が日本の風土のなかで醸成されていくうちに無意識のうちに日本の美意識が結実し開花した作品であるように感じられ、その穏やかで明るい表情には見ているだけでも心をほっと和ませるような雰囲気が漂っています。


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