古伊万里赤絵金彩桜花文輪花七寸皿

　日本庭園の池のほとりに植えられた楓が紅葉して色づいている様子が、簡潔かつ象徴的に描かれています。

　〔窓絵〕を「黒い枠」で囲うことで器全体の印象を引き締め、「白」を際立たせています。

　〔青〕に濃淡の斑（ムラ）を生じさせることで石燈籠の質感が表現され、紅葉に〔赤〕と〔金彩〕を用い庭園に降り注ぐ陽光の煌めきを表現しています。

　〔窓絵〕一つ一つの楓の葉の配置や施された〔赤〕や〔金彩〕の様子、灯篭の描き方などが、一律ではなく少しずつ異なっています。

　〔窓絵〕内の描写や〔金彩〕と〔赤〕の半円を交互に書き重ねた飾り紋、〔赤〕の組紐紋は、細く繊細な描線で丁寧に表されています。

　〔赤塗り〕面の細い〔白抜き唐草文〕や〔窓絵〕の楓樹の葉などには、部分的に摩耗が見られるものの、〔金彩〕が丁寧に施されて器の華やかさを一層引き立てています。