えっしゅうようせいじかんじすいちゅう

越州窯青磁環耳水注

-希望販売価格-

金8万円

※販売価格は基本・内税

販売中

【商品番号】:C-303

【時代推定】:越州窯 唐時代

       八~九世紀

[箱なし]

寸法

 高: 8.7cm

全長:11.9㎝

胴径: 9.5cm


 〔越州窯青磁〕の作品は、【《唐》は世界に冠たる文化の中心に位置する】という自負の趣が遺憾なく表わされている、と当時から高く評価されています。

 青磁は碧玉を思わせる色味から、多くの文人・知識人に愛されました。
 碧玉は古代より君子が身に付けるものとされ、儒教においては徳の根源とされ尊重されていたことから、「假玉器(かぎょくき)」と称された青磁は、貴族に宝器として受け入れられました。
 青磁の起源は紀元前14世紀頃の《殷》とされますが、初期の青磁は発色の不安定さから歩留まりが悪く、焼成した器のなかに不具合が発生しやすいものでした。
 製作技術の向上や窯の進歩により、良品を安定して量産するようになったのは盛唐~晩唐以降になります。

 越州窯は漢代末期から宋代まで浙江省の越州地方で青磁を焼造していた窯で、東洋最古の磁窯です。
 六朝時代から青磁を焼造し、北宋代に衰退するまで越州窯は中国の青磁生産の中心地となりました。
 陶磁器史上では最初のまとまった史料であるとされる『茶経(ちゃきょう)』内では、「盌は越州が上品(じょうぼん)。鼎州(ていしゅう)は次品。寿州(じゅしゅう)・洪州(こうしゅう)は次品。」と評され、越州窯の最盛期とされる唐末五代には「秘色(ひそく)」と呼ばれる独特の美しい青磁を焼造する等、越州窯は天下の名窯として様々な古文献に書きのこされています。

 本器は掌に載る寸法ながら、実寸を越えた量感を醸し出す越州窯の水注です。
 ふっくらとした膨らみの壺形の胴、やや高めで薄い造りの頸部、注ぎ口、把手、環耳などの曲線の有り様によって、大きくどっしりとした水注であるような印象を受けます。
 これは、唐時代の造形性の高さと柔らかく暖かな造形感覚の賜物です。

 本器の全面に施された釉の厚みは大変薄いため、明るい光の下では胎色がはっきりと透けて見え、白磁と見紛うほどですが、頸部外側の付け根に見られる釉溜りや頸部内側などの釉がやや厚い部分は、唐時代の〔越州窯青磁〕の釉色を呈しています。

 本器は発見されるまで地下の空間内で長年月にわたり水没と乾燥を繰り返したため、高台内側等の露胎部分が土錆で赤茶色く染まり、貫入にも土錆が生じて器のかなりの部分が薄茶色に染まって見えます。
 また、発掘時点では器全体が水を含んで釉が胎から浮き上がり剥離しやすい状態であったと考えられ、釉が剥落している部分が見られます。
 釉の剥落箇所から本器の胎土は白度の高い白灰色をしていることが判り、胎が薄茶色に染まっている剥落箇所は発掘前に、胎が白いままの剥落箇所は発掘時および発掘後の乾燥中に生じたものと推察されます。
 現時点では胎が十分乾燥しているので、釉の剥離がこれ以上進行する兆候は見られません。

 時を経て尚、優美で落ち着いた品格あるその姿は、《唐帝国の栄華》を物語っているようです。


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