安南染付合子
-希望販売価格-
金2万5千円
※販売価格は基本・内税
販売中
寸法
総高: 7.8cm
径:11.3cm
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本器は蓋に蔕(ヘタ)の飾り文がある合子で、器形および胎土や失透した釉の様子から安南焼の合子であると思われます。
天面が平たくゆったりとした膨らみを持つ器形は安南の合子によく見れられる形で、器形に歪みはなく、量感がありながら両掌に馴染む丸みをもち、安定感があり使い勝手が良い器です。
本器の器胎は明るく白い灰白色のやや陶質の焼き締めで、指触りは滑らかで見た目よりは軽い仕上がりです。
本器の釉表は全面が艶消しでやや白濁し失透しており、失透した釉によって染付は霞か靄がかかったようにやや白く見えます。
表面に見られる青白い白濁部分の様子は、安南染付によくみられる白濁の様子と酷似しています。
安南焼の釉薬は灰分が非常に多いため、熔け易くまた流れ易く失透する性質があり、本器の場合は窯内の温度が不足し失透したものと考えられます。
本器は包容力のある温かみのある柔らかな手触りで、枯れた安南古陶の肌触りを味わうことが出来ます。
本器のように蓋に蔕(ヘタ)の飾りがある合子の代表格には、宋胡録柿(かき)合子が挙げられます。
宋胡録柿合子は15~16世紀に製作されたと考えられており、元々キンマ(蒟醤)という嗜好品の容器として大量に製作されたものとされています。
キンマ容器には蔕飾りがないものもありますが、多くは果物の形をし、これらは東南アジア島嶼部はもとより、南蛮貿易によって日本へも大量にもたらされています。
このキンマ容器のなかでもタイで果物の女王と呼ばれるマンゴスチンの蔕を模した装飾を持ち手としたものがあり、この蔕の装飾を日本の茶人らが柿の蔕に見立てて柿合子や柿香合と呼び愛用したとのことです。
安南焼の合子には宋胡録柿合子を模したもののほか、そこから派生したと思しき様々な意匠の蔕飾りが見られます。
本器の円盤状の蔕飾りは宋胡録柿合子を模したものから派生したもののひとつと思われ、宋胡録柿合子の蔕の表現を見出すことが出来ないほど簡略化されていることから、蔕飾り装飾を型抜きによる大量生産向けにアレンジしたものであると考えられます。
染付文様も宋胡録柿合子に倣ったものと思われますが、蔕飾りと同様に大量生産を行うために文様の細部を極端に簡略化した不可思議な文様となったものと考えられます。
本器は生産効率の追求によって原典の意匠本来の精緻さや作意が薄れた代わりに、細部に捉われない奔放さと飾り気のない気さくでくだけた雰囲気が生まれ、素朴さを感じさせる作風となっているといえるでしょう。
東南アジア地域でこの種の器が量産された15~17世紀当時時の日本は、17世紀中頃に鎖国するまで海外と交易を行い、その文物を取り込んでいました。
中でも朱印船の渡航先は、交趾:安南:暹羅:呂宋等々広域におよび、その積極性が窺われます。
往時の舶来品は、東南アジア地域をはじめ、諸外国と日本とが海を介して繋がり交流していた証ということができます。
本器は、昭和15年(1940年)にジャワから日本に持ち帰ったものと聞き及んでいます。
本器からも、時を経て尚、往時の人々が浪漫を抱いたであろうエキゾチックな南方の空気が感じられます。
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