漢緑釉銀化壺
底部と胴側面との施釉状態の境がはっきりとしている様子や、胴は全面に緑釉が施され、底面は本来は釉掛けされていなかったことがわかります。
露胎部には、底面を箆でかき取るように整形した痕跡が見られます。
底面の釉溜りは、焼成中に、本器の底面の上に積み上げられた器物から熔けた緑釉が重ね焼きを伝って出来たものと推測されます。
釉溜り部分には、重ね焼きに用いた焼き支えの断片が残存しています。
この焼き支えは焼成時に流れ落ちてきた釉によって固着し、きれいに外すことが出来なかったものと思われます。
焼き支えは3か所はあるはずですが、対向辺に焼き色の異なる部分がみられることから、残存する2ヶ所以外はきれいに外され痕処理されたであろうことが窺われます。
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