とうはくじてつさいちょうかもんごうす

唐白磁鉄彩貼花文合子

-希望販売価格-

金36万円

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※販売価格は基本・内税

販売中

【商品番号】:C-194
【時代推定】:唐時代・8世紀
[桐箱あり]

寸法

高:5.1cm

径:8.1cm


 咲きほころぶ可憐な花をあしらった、優雅な気品を感じる白磁の合子です。
 掌に程よく納まる大きさで、高さと径とのバランスが心地よく、存在感のある形です。

 「白磁」とは、白素地に無色の釉薬をかけた磁器の総称で、白色の粘土の素地に、鉄分のない植物灰と高陵石から精製された透明釉薬を掛け、高温の還元炎で焼き上げた施釉陶磁です。
 白磁の起源は560~570年代の北斉(中国)に遡ると言われ、青磁の製造技術の完成と共に発展し、隋~初唐期に華北地方において大きな発展をみせます。
 白磁焼成技術が急成長をとげた盛唐時代では、器胎を白くすることに並々ならぬ力を注いでいて、胎土が僅かに鉄分を含む場合でも白化粧をかけているほどです。
 また、唐時代の華北の白磁は石炭ではなく、薪が燃料として使われていたために還元焼成がよく行われ、釉色が緑味を帯びることが多いとされています。

 本器の釉色には緑味が窺え、釉色を一瞥するだけでは「これは白磁なのか?」という印象を受けますが、緻密で白味が強い灰白色の陶質の磁土が用いられていること、釉の透明度がかなり高いこと、釉色が薄い緑色を呈していること等から、唐時代の白磁であると判断されます。

 本器には[灰被り]や[焦げ]といった箇所が一切認められないので、〔鞘〕に収められて高温焼成されたと考えられます。
 〈蓋〉の〈合せ口〉の面に焼支えの目跡と思われる数個の小さな窪みがあることや、〈蓋〉の内側は焼成時には全て施釉されていたと思われることから、焼支柱の上に置かれて焼成されたことがわかります。
 釉の厚い部分に覗える気泡や微塵貫入が柔らか味と温かみのある雰囲気を表す一方で、釉溜りの色味が各部の稜線をほの白く際立たせ、器の造形にキリっとした印象を与えています。

 器体は、磁土を型に詰めて作った器の原型に轆轤削りを施すことによって容器の形が削り出されています。
 腰部から底部にかけてすり鉢型に形が絞られており、これは器の印象を引き締めるだけでなく、掌全体で包み込むように取り上げやすくする意匠で、底面だけでなく腰部も露胎となっているのは持ち上げる際に滑りにくいようにする配慮と考えられます。
 〈蓋〉と〈身〉の〈合せ口〉は焼成後に轆轤削りを施されたことにより露胎となっており、その縁は丁寧に面取り整形されて、手触りを柔らかくしています。
 また、〈身〉の〈蓋受け〉は、かなり薄くなるように丁寧に削り仕上げされていることから、玉石や金属器の加工技術を応用したものと思われます。

 ほのかな緑の中に「白」を感じさせる貼花文は、「高潔」「美しい心」「精神的な美しさ」などの花言葉をもつ中国原産の鉄線蓮を思わせます。
 花卉文は型抜きによって表されたものではなく、削り整形を施した面に磁土を薄く貼り付けて箆等で柔らかな花弁の筋を表現し、花芯を6枚の花弁の中心に磁土を細い筒で押し付けて据えています。
 花弁に施された模様は、まだ開ききらず捻じれている状態の花弁を表現したものと思われます。
 花芯に施された鉄彩は花芯の色味を、3枚の花弁に施された鉄彩は陰影によって開ききっていない花弁の立体感を表現したものではないかと思われます。

 いまも瑞々しさを保ち続けている6弁の花が爽やかな清々しい香りを感じさせている本器の姿には、華やかなだけではない、唐文化の穏やかで繊細な一面が現れているようです。


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