鼈甲製瑞鳥牡丹文透彫飾り櫛
-希望販売価格-
金35万円
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※販売価格は基本・内税
販売中
寸法
縦:16.1cm
幅:15.0cm
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精緻な透かし彫りが施された鼈甲(べっこう)製の《飾り櫛》です。
鼈甲は、熱帯に棲むウミガメの一種・タイマイ(玳瑁)の甲羅の加工品で、背と腹の甲を構成する最外層の角質からなる鱗板を10枚程度に剥がして得られます。
タイマイは珊瑚礁域に生息するウミガメであるため、鼈甲は琉球、呂宋(ルソン)等から輸入される高価な素材で、加工が容易なため、工芸品や装飾品の材料として重用されてきました。
鼈甲には天然コラーゲン(膠質)が多く含まれているため、人の体温によって微妙に変形する性質があり、特に装身具では、軽さのみならず肌触りがあたたかく、使うほどに肌や髪にやさしく馴染んでいきます。
なかでも鼈甲の簪(カンザシ)が良いと評されるのは、このような特性に加え、髪に挿した際に天然コラーゲン繊維の方向性による摩擦で簡単には脱け落ちにくい性質を有しているからです。
本器は鼈甲の一枚板からの削り出しで、板の厚みは十分に厚く、その色合は、櫛全体が渋く落ち着いた格調ある雰囲気を漂わせています。
本器を光にかざすと、文様のなかに鼈甲の模様が赤みを帯びて浮き上がり、引き込まれるような幻想的で繊細な表情を見せます。
文様部分に施されている透かし彫りは、細部に亘って緻密かつ丁寧に表現されています。
櫛歯の根元部分上部中央に見られる菱菊文の周囲には彫金細工にみられるような魚々子文様が施されていることから、櫛部に文様部を固定する飾り金具を表現していることがわかります。
透かし彫り部分には、つがいの瑞鳥のほか、牡丹や四弁五弁の花、蕾や実等々の瑞花文が唐草文様の中に多数散りばめられています。
多種多様な文様を盛り込むと全体の構図が煩雑になりがちですが、文様部の外周近くに施された2本の唐草文の茎が生み出す額縁効果と、文様の絶妙な配置とによって調和した構図を生み出しています。
加えて、外周近くに施された唐草文は、文様部の強度を担保する構造材の役割も担っています。
本器に施された文様には、清時代盛期に当たる雍正帝期(1722~1735)から乾隆帝期(1735~1795)に相当する時期に盛んに作られていた彫漆(堆朱、堆黒等)と呼ばれる漆芸作品に施されている文様、清時代の〈琺瑯彩〉〈黒地緑彩〉〈黄釉粉彩〉といった〔粉彩〕系の官窯磁器に施されている文様、清時代盛期の様々な礼服等に施された刺繍の文様表現、等々との類似が見られるので、製作時期は、清代中期の18世紀中頃から19世紀前半頃であると思われます。
文様部分に施されている様々な瑞文や、その丁寧な表現手法や仕上がり、および鼈甲の色味から推察して、本器は宮中で用いた《飾り櫛》ではないかと推察されます。
繊細で落ち着いた品格と、雅びやかな存在感を漂わせる一品です。
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